訂正(10月7日):この記事は当初、見出しと本文で、最高裁がプッチダモン氏の逮捕状を「取り下げた」としていましたが、最高裁の措置は新たな司法判断が出るまでの「効力停止」で、恩赦の適用ではありません。また、肩書を「前州首相」としていましたが「元州首相」の誤りでした。このほか、最高裁の判断の理由、ジュンツと政権の関係、首相の発言などの記述を事実に合わせて改めました。おわびして訂正します。判決の中身と今後の見通しは詳しい解説記事にまとめています。

スペイン最高裁のパブロ・リャレナ判事は10月6日、2017年の独立の住民投票のあとベルギーに住むカルラス・プッチダモン元カタルーニャ州首相と、トニ・コミン、リュイス・プッチ両元州政府委員の3人に対する国内の逮捕状を「直ちに、新たな明示の司法判断があるまで」効力停止にした。同じ日、憲法裁判所がドロルス・バッサ元州政府委員の申し立てを7対5で認め、公金横領の罪にも恩赦を適用する新たな判断を出すよう最高裁に命じたことを受けた措置だ。プッチダモン氏は帰国しても逮捕されない状態になったが、最高裁はまだ恩赦を適用しておらず、横領罪で起訴された身分は残る。

PR · 航空券
スペインの各都市へ、マドリード乗り継ぎで
東京からバルセロナ、マラガ、セビリア、ビルバオ、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、イベリア航空で航空券を探せる。
行き先を選んで探す →

最高裁「恩赦の適用ではない」

最高裁は2024年7月から、独立の住民投票に公金を使った横領は「個人的な利益」にあたるなどとして、恩赦の適用を拒んできた。憲法裁はこの解釈を法律の趣旨に反すると退けた。リャレナ判事は、今回の措置は「恩赦の適用を宣言するものではなく、刑事責任を消すものでも、残る問題を解決するものでもない」と明記した。逮捕状を止めたのは、その間に身柄を拘束すれば、あとで不当と分かっても取り返しがつかないためだ。最高裁は7日、関係者に5日間の意見書の提出期間を与えており、そのあと恩赦の適用を判断する。

帰国は総選挙のあとか

プッチダモン氏は6日、「カタルーニャとスペインの関係という点では、今日は何も解決しない」と述べ、帰国の日は明かさなかった。弁護士のゴンサロ・ボイェ氏は、帰国は恩赦が全面的に適用されてからで、11月29日の総選挙の後が最も賢明だとしている。所属政党ジュンツは、2023年にサンチェス首相の再選を支えたが、2025年10月に党員投票で政権との協力の打ち切りを決め、10月2日には住宅の政令に反対して解散の引き金を引いた。サンチェス首相は6日、恩赦について「特定の政党や独立派の政治家のことを考えて行ったのではない。カタルーニャの人々の共生を考えて行ったのだ」と述べた。

PR · 一時帰国
スペインから日本へ、一時帰国の直行便
マドリード〜成田の直行便。スペインに住む人は、イベリア航空のスペインのサイトから予約できる。
スペインのサイトで探す →

日本の読者への解説

スペインでは、憲法裁判所は最高裁判所の上に立つ通常の上級審ではなく、法律の合憲性や基本的権利の侵害を審査する特別な裁判所だ。今回、憲法裁は最高裁の法律の解釈そのものが権利を侵害したと判断し、保守派の判事5人は「最高裁の役割を奪った」と反発した。独立運動をめぐる9年の争いは、憲法裁と最高裁の権限の争いにもなっている。

この記事をシェア:X (Twitter)WhatsAppLINE